【 アルコール依存症、回復者からのメッセージ 】             

(改訂:00/12/12)


 
[Case 1. ] 
 19歳から日本酒とビールを飲み始め、会社員になった23歳の頃には、毎日ビール3本、酒4合を空けていました。27歳で結婚、3年後に長女が生れましたが、その2年後くらいからますます飲酒がひどくなりました。

 36歳で離婚、続いて会社を退職しました。その後の10年間は、職にもつかず、泥酔状態で寝込むまで飲み続ける毎日。事件やトラブルも、たびたび起こしました。万引き、置引き、無銭飲食、自転車泥棒など。拘置所と病院を行ったり来たり。専門家はこのような人を「職業アル中」と呼ぶのだそうです。アルコール症であることだけが飯の種という意味です。

 3年前、45歳の時、土砂降りの日に泥酔して道路に寝込み、車に轢かれてしまいました。それでもどういう訳か、運よく生残りました。50日間入院して、退院の翌日に飲酒、2カ月後には連続飲酒に戻りました。友人に「病気だ」と言われた時に、とにかくそれに賭けてみようと思いました。友人もアルコール症からの回復者でした。友人は私を自助グループと専門医に連れて行ってくれました。3カ月間は、「ワラをもつかむ」気持でグループに通い続けました。

 私のような人間を暖かく迎えてくれた仲間と、陰でいつも見守っていただいた先生には深く感謝しています。今現在、私はとても幸せです。飲み続けていたころ、こんなにすばらしい、穏やかな人生があるとは、思ってもみませんでした。仲間から教えられた「今日一日」という言葉を大切に生きてゆきたいと思っています。
         
                             AKH     (回復途上のアルコール症者、 K. M. さん 2000.01.29. )


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AKH (初版: 00/02) 


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