【 急性アルコール中毒 】            

(改訂 00/12/12)


 急激に大量のアルコールを摂取すると、解毒、排泄が間に合わなくて、アルコールの麻酔作用によって酩酊状態になります。これを急性アルコール中毒といいます。

 酩酊の程度は主として血液中のアルコール濃度によって決まります。血中濃度0.16%で酩酊状態、0.31%で泥酔状態、0.41%で昏睡状態になります。酩酊期には、千鳥足、呼吸が速くなる。嘔気、嘔吐、泥酔期には、立てない。意識が混濁する。会話内容が支離滅裂になる、といった症状が見られます。昏睡期には、完全な意識消失に陥り、刺激に反応しなくなります。 この状態で放置すると、呼吸抑制、急性循環不全などで死亡することがあります。

 この酩酊の程度は、また、個人の体質(特に肝臓酵素のタイプ)、体重、飲酒時の体調、胃内食物、飲酒のスピードなどの影響を受けます。このように、酩酊には個人差がありますから、酒は自分の適量を自分のペースで飲むことが重要です。酒の無理強いは、いじめまたは嫌がらせで、イッキ飲みは死に直結する危険行為です。 

 つねっても目を覚まさない。呼吸の異常(浅い早い呼吸、深いゆっくりした呼吸)、激しい嘔吐、吐血などは昏睡期の危険徴候です。すぐに救急車を呼びましょう。救急車が来るまでの間、酩酊者をうつ向きに寝かせ、顔を横に向けて口の中をタオルでふいてください。また、衣類をゆるめ、毛布などで体を温めてください。昏睡期の人を決して放置してはいけません。

 また泥酔状態の人を一人で帰宅させるのは危険です。この状態では、転落、転倒事故、交通事故などに遭いやすく、また道路や駅のホームなどで寝込んでしまい、凍死することがあります。必ず自宅まで送り届けることが必要です。


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AKH 文責:竹村道夫(初版: 99/12) 


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