【 ホームページ−広く医療情報の公開も 】      赤城高原ホスピタル 
                                               (改訂 99/09/23)


 上毛新聞は、群馬県下では、購読率ナンバー1の地方新聞です。1999年9月22日づけ読者のページ、コラム「視点:オピニオン21」に、赤城高原ホスピタル院長の「医療機関のホームページ」に関する論説が掲載されました。以下がその本文です。


 昨年末に病院のホームページをオープンしました。業者に依頼する事なく、スタート時点から全て手作りです。ホームページ作成用ソフトのマニュアルと首っぴきで、いろんな失敗を繰返しながら、忙しい診療時間の合間を縫って、少しずつページ数を増やしてきました。

 内容は病院情報に加え、アルコール依存症、薬物乱用、摂食障害など、嗜癖(しへき)関連問題、子供の虐待やトラウマに関連した情報などを、専門家の立場から一般向けに解説したものです。地味な内容なのでビジターはそれほど多くはありませんが、それでも最近では一日五〇件くらいのアクセスがあります。 日本全国から、一部は海外からもEメールでの問い合わせがあります。多くが患者さんやご家族からの相談です。こちらは院長である私がほとんど一人で対応しているので、とても返事を書ききれません。しかも相談内容はまじめなものばかりで、しばしば「生きるか死ぬか」のような深刻な内容なので、放置もしておけず困ってしまいます。仕方がないので、大部分のご相談には、簡単な回答、状況説明と陳謝のご返事のメールをさしあげ、昼間の時間帯にあらためて病院に電話するようにお願いしました。

 また多くの相談、質問に共通した内容を抽出して、ホームページの関連分野のファイルの中に、その質問と、それに対する専門家としての回答、解説を記した新しいページを作りました。回復者や回復途上の方々にもお願いして、ご相談の方々へのメッセージを書いていただきました。いろいろな相談や質問に合わせて、情報を訂正、追加してゆくので、徐々にサイトの内容も充実してきました。

 ホームページを見たマスコミからの取材もたくさんあり、また薬物乱用問題に関心を持つ弁護士さんなど、ネットを通じて多くの関係者とも知り合いになりました。双方向通信のインターネットのすばらしさです。

 ところで、ホームページを持っている医療機関は、まだまだ少数派です。あっても業者任せの病院案内程度の情報しか公開していない場合がほとんどで、それぞれの専門分野の独自の医療情報を一般向けに提供するような、内容の充実したホームページとなるとさらに少数です。
 一方でネット上には、健康、医療に関して誤った情報や危険な勧誘のわながあふれています。たとえば「合法麻薬」という怪しげな 薬物を勧めたり販売するサイト、回答者の氏名、資格や身元が不明のネット上のカウンセリング、非専門家による誤った医療情報など、専門家からみると随分おかしな情報やウェブサイトがあります。

 これからは市民に開かれた医療を提供する時代です。医療機関は一般社会にも目を向けることが期待されています。インターネットの世界でも情報を公開して、専門的な医療情報を社会に役立ててほしいと思います。

 赤城高原ホスピタルのホームページは、 「http://www2.gunmanet.or.jp/Akagi-kohgen-HP/」です。




ご連絡はこちらへどうぞ ⇒ address
または、昼間の時間帯に、当院PSW(精神科ソーシャルワーカー)にお電話してください ⇒ TEL:0279-56-8148

AKH 文責:竹村道夫(1999/10)


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