ライブレポ No.105
Special Thanks to koniさん


1999.10.24(日)
ライブレポ番外編  
WOWOW『山崎まさよし’99秋の新作発表会!』
 
 


1週間前の日曜日、タケから電話がきた。「WOWOW当たったよー!!」
「えっ・・??」一瞬何の事だか分からなかった…
「WOWOWの人から電話があったの!」「え゛――――!!!」
今年のタケはホントに幸運続きである。もう恐いくらい…
届いた案内には横浜の「貯木場」って書いてある。きっと海の近くなんだろうなー

当日、タケと最寄駅で待ち合わせる。日曜の午後からダンナ・子供を残して
おでかけするとは、ナンテ贅沢な主婦なんでしょう!!
駅までのバスに乗ると、もうすっかり日常の家事・育児のことなんか
スコーーンとどっかへ飛んでいってる!
車中でひとり顔がゆるんじゃう。ハナの下伸びてないか心配になる。

「桜木町」で乗り換えて2つ目で下車する。
やはりまさやんは「横浜」に何かと縁があるらしい。
時間が早かったのでお茶する。気がつくと富士Qライブ前に注文したものと
同じ物を食べてた…しかし、浮ついてノドを通っていかない。

タクシーで乗りつけたのは「club HEAVEN」
なんだーココなら来たことあるぞ!
すぐそこが海で、潮風に吹かれベイブリッジを見ながら食事が出来るレストランが
隣にあって…生春巻きが美味しかったのを覚えてる。

降りたってまず気づいたのは大きなパラボラアンテナを乗せた中継車だった。
「そうなんだー、テレビなんだー、生中継なんだー!」…と一気にあせり出す。
入り口でチケットを交換してる・・私達も身分証明を提示してチケットをもらう。
見るといつものライブチケットの様にフリップサイドの券に
山崎まさよしの文字がちゃんと印刷されている。
続々とチケットを交換に来る人達…大半は若い女性2人組、男性の姿もチラホラ…。
「ユニクロの袋持った人がいるよ〜」とタケ・・
まさかその2人がポケットしゃん達だったとは…!! 
初めて聞く人もいるのかなぁ?
でもみんなまさやんの歌を楽しみにしているんだ…。

5時になって係りの人の誘導で並び始める。
前後の人同士、番号を確認しながら整理番号順に並ぶ。
私達は60番、後には15名位いただろうか。
でもホントにこれだけ?人数の少なさに改めて驚く。
夏の大きな野外会場を満員にうめたまさやん。
…なのに、こんなんで・・なんか申し訳ないよぉ。
入り口に穂苅さんとタケシくん発見!穂苅さんって思ってたより若い…。
意外だ!(ゴメンナサイ。)もっとビジネスマンを想像していたのに・・

入場時刻になって係りの人のアナウンス
「中は自由席になっていますので、走ったりしないで下さい。」
「えーー!?自由席って??」この時初めて聞く言葉に、
お尻の重たい2人はまたあせる・・。しかし混乱もなく順番に中へ…。
入り口でドリンクチケットを購入する。(半強制的?)奥へ進むと…
うっ…暗い・・見えない・・。

ステージが見えた、・・低い!近い!4人がけの円卓があるフロアと、
そこを囲む様に、1段高くなってカウンター席があり、
その後ろはドリンクバーになっている。
カメラの機材やコードに気をつけて席を捜すが、わずかの差で1階は満席になってしまった。
仕方ないので2階正面のボックス席へ…。
円卓を囲む2人掛けの背もたれの高いイスが3組ある。
上から見下ろすとステージにいつものまさやんセットが置いてある。
やっぱり近い・・ちょっと声を出せばまさやんに届きそうな距離だ。
「本当にココで歌うんだ…。」
タケと二人あきらめきれず、ドリンクを引き換えに1階へ行くがやっぱり空席はなかった…。

「はい、放送30分前です!」女性スタッフの声でカウントがはいる。
その度に心臓が止まりそうになる。
「そうだよーこれはテレビなんだー。生放送なんだー。
普通のライブじゃないんだよぉー。」呪文のようにブツブツ…。
本番前の注意事項がアナウンスされる。誰の声?姿が見えない。
「全国27000通の中から選ばれておめでとうございます。」とか
「生放送ですので、あんまり前に来ないようにして下さい。」などと言ってたみたい。

「20分前でーす!」隣のボックス席の女の子達は全員バルコニー?の柵にへばりついてる。
やーーっ!私達も前に行きたいっ!でも両隣は普通の方々のようだ。
「15分前でーす!」2階左手の一角にはジャイアン社長はじめオーガスタの
スタッフらしき面々がステージを見下ろしている。
「10分前でーす!」ドキッ!!客席も一気に緊張感が漂う。

小さいステージにひとつの椅子、譜面台、マイク・・スポットライトに浮かび上がってる。
観客はそれぞれ好みのドリンクで「歌うたい」をゆっくり待つ・・
まさやんがBOOGIE HOUSEで歌ってた頃もこんな感じだったのかなぁ・・
なんて、なぜか神妙な気分になる。 

「3分前でーす!」目の前のカクテルは(何頼んだか覚えてない!)
もうほとんど飲み干してある。
「1分前でーす!」ねぇねぇ、生放送だって言うのにもう前説ないの?いいの?
これだけでスタートしちゃって大丈夫?…不安になる。
隣のタケも無言状態・・
まさやんどうやって出てくるんだろう…?

「10.9.8.…」あぁっ!この緊張感どうにかしてーーー!!
「5.4.3.2.1…」

…シーーーン…
どうするんだろう、どうなるんだろう・・
更に数秒・・長い・・息が止まりそう・・苦しいー。

…と、まさやんフラ〜っと登場!小さく歓声が上がる。白いTシャツがまぶしいよ。
椅子に腰掛け、ギターを抱える・・誰も声が出ない、まさやんの緊張も伝わってくる。
いきなり「Passage」。初めて生で聴く、こんな近くで・・すっごい幸せだ。
ブチッ!と糸が切れてドワァ〜っと涙が溢れてきた。
ボロボロ、ボロボロ…うわっ・・止まらないよぉ。
背中に置いたバックから手探りでハンカチを探すけど、なかなか見つからない。
顔面ぐしゃぐしゃ…。

一曲終わった、声を掛けてよいのか皆迷ってる…「しーん。としてますねぇ。」
「固唾を飲んで見守っているという…」誰かが口火を切って
「まさやん!」
と言うと嬉しそうに
「ありがとう!」
続いて「まさやん!」「ありがとう!」と続き、
次の「まさやん!」には得意の
「やかまし!」(笑)…みんながホッとした。

続いて「江古田」。
まさやんの高音がきれいに会場に響き渡る。
左右にあるテレビ画面に大きな木が映って「mud〜」に入る。
ステージ上のまさやんはギターを置いて
「じゃ後ほど・・」と言って引っ込んでしまう。
なんだぁ寂しいな・・

しばらくテレビ画面に見入る。私達のトコからは立たないと人影で画面が見えない。
テレビでは「カルテ」「ある朝の写真」と新曲が流れ、「ドミノめぐり」の映像が・・
「天然パーマ」のまさやんヘアーに会場から笑いが起こる。
フッ・・かわいいなぁ、八重歯のまさやん。
そのうちステージにはもうひとつ椅子とマイクが並べられた。
「あ、杏子さんが出てくるんだ。」タケと顔を見合わせる。

杏子さん登場。
テレビ画面はまだ「天パー」の途中・・それを見ながら杏子さん、
まさやんのヘアスタイルの話題になる。
「今は清純・・って感じだけど、この頃はワイルドで、これもよかったよねー。」とか・・
「杏子さんきれい!」の声がかかる。
「皆、映ってたよー。全国のお父さん、お母さんが喜ぶヨー。」と杏子さん。
「Time After〜」を見ながら、まさやんは杏子さんの事を
「真っ赤ッかでシンディ・ローパーみたい。」と言った。
杏子さんもまさやんの帽子を見て「栗のような頭」・・と反撃。
「あ、これは後で話す事だったんだ。皆初めて聞いたようにしてね。」と
茶目っ気たっぷりに話しかける。
「イヌ」を見ながら、まさやんのズボンを「ももひきのようだ。」と言ったり、
「黒いピタピタの乳首の見えそうなシャツ・・」には
思わずまさやん「やめなさい。」と照れる。
「永遠という〜」でまさやんの歌う時の手の上下運動を杏子さんもまねて、二人
で「なんなんでしょうねぇ〜!?(笑)」テレビ画面のまさやん達と、ステージ
のまさやん、両方を見なくちゃならないので、とても忙しい。

ここでVTRが終わり、途中で話していた内容を繰り返しおしゃべりしていた。
富士急の「星かけ〜」の映像で杏子さん「きれいですねぇ〜。」
歌うシカオちゃんを見て
まさやんと「アヒルちゃんぐちで歌ってる・・(笑)」とも言ってた。

生デュエットで「Time After Time」が始まる。
間奏から杏子さんの出だしに入るタイミングをさりげなく合図する
まさやんの手・・いいなぁ。
なんか優しさがにじみ出ている。
タケも「まさやんが杏子さんを見る時の目が優しいんだよねー。」
って言ってた。思わず、歌う杏子さんが自分だったらー…なんて…

次の「地団駄」は、すごい迫力!まさやんのギターのカッティングと目の回るよ
うな指使いにみんな釘づけ!ギターの共鳴しあう6本の弦で、
会場の空気が震えてる!!すごいっ!
♪ベンベ、ベンベベンベン!!♪ フィニッシュ!!タ゛ーーっ!っと
手を上げる、足も上がる!ワーーっっ!!っと大歓声!
「スゲ〜っ!」「かっこえ〜っ!」
今までおとなしかった、横の男性2人連れも思わず声をあげる。
『でしょ!?でしょ!?スゴイでしょ!?かっこいいでしょ!』
すごすぎやぁ〜…まさやん。しばらく会場のどよめきも収まらなかった。

WOWOWのHPに、予定曲目が5曲程書いてあって、「星かけ」もあったんだ
けど、シカオちゃんがいないのにどうやって歌うのかな?シカオちゃんくるのかな?等々謎だった。
とにかく当日になってみないとわからない。という謎が多かった。
タケへの案内状にも詳しい事は書いていない。座席はあるのか、もしかし
てスタンディングなのか?とか、もしそうなら荷物は預けるの?とか、
そしたら、レポ書くメモは持って行かないとあかんしなー。。。。とかいろいろ考えてた。

しっとりと「星かけ」が終わり、ここでテレビ画面はインタビューに移る。
杏子さんは挨拶をして袖へ戻って行く。
まさやんは、立ちあがり譜面の順番を整理したり、ハープを取り替えたりして、再び椅子に座りなおす。
この時2階の誰かが「まさやん、上!」と言った。まさやんは手をかざして覗き
込もうとするんだけど逆光で見えないみたい…
2階のジャイアン社長付近はライトが当たっていて、まさやんからよく見える様になっている。
まさやんが社長に
『OK?』と指で合図、社長も親指をたて『Good!!』
だけどその後、スタッフに促されておどけながら奥へ行ってしまった。

長〜いVTRの後、やっと出てきてくれて、

「ライブやりますか!?」「キャーッ!」会場が沸き立つ。
やっと手拍子できるんだー!
「ドミノ」からは完全にまさやんいつものライブ状態!
「やわらかい月」…まさやんが「想像したらあかん」って言うからどうしても
あのお菓子が頭に浮かぶ…
フワフワで中のカスタードが美味なヤツ。
…美しいアルペジオ弾くまさやんの指使いにまたしても釘づけになってしまう。
「審判の日」楽しそうだよー!まさやん。私もすっごく楽しい!!
機械を通さない、ホントの生声とギターが直接自分の鼓膜を振動させる事に鳥肌が立つ。
「セロリ」の手の振りは…私達だけ?さすがに1階席の人達はできないかぁ…
「僕はここにいる」みんなうっとりと聴き入る。

そして、拍手の中まさやん退場。
「えっ?終わっちゃうの?」誰からともなく
「アンコール」の声があがる。
皆で「アンコール」と拍手でまさやんを待つ。
時計は7時50分すぎ。タケが「55分までだけど、どうするんだろう。」と言った。
「どうするんだろう!?」2分程過ぎる、なかなか出てこない。
このまま終わっちゃうの?
まさやん出てきてー!
拍手は続く。
長い…左右のテレビ画面は何にも映ってない。
どうなっているのかなぁ…
「スタッフの人も拍手してるから、出てくるよねー!?」とタケ。
ステージ前のカメラはまだ引き続き左右に行ったり来たり動いてる。
そのモニターの中にはまさやんのいないステージが映っていて、
白い文字がテロップのように流れている。
番組は終わったんだ…。このまま明かりがついちゃうの?さみしいよぉ!

拍手はまだ続く…。
祈りのポーズのタケと私。55分を回ったのだろうか、時計を
見る間も惜しくてステージから目が離せない。
……と!まさやんヒョコヒョコっと登場!!大歓声!!

「放送終了!!」
嬉しそうなまさやん!皆も弾ける。
「いゃあ〜少し緊張していましたね。」とか言ったような・・大歓声でよく聞こえない。
ギターをジャラ〜ン!とかき鳴らして、「fat mama」だぁぁぁ!!
我慢できずにタケと柵の前にへばりつく。わずかこの130人余りの観客だけの為に
まさやんが歌ってくれている!もぅ10年分の幸せ使い果たしちゃったかもしれないっっ!
皆も、いつものライブのように乗っている!こうでなくっちゃあ!

続いてまさやんが「〇×#?§☆ヤサ男ー!!」と叫ぶ。いつのまにか1階席の
人も総立ちになっている。途中でフィンガー5の(古ぅっ!)
「ヘーイ、ヘイヘイ、ヘーイヘーイ!」の客席とのレスポンス!
ここで今日は初めてのカズー登場!
お決まりのくわえてポイッ!も狭いステージでやってくれると感激もひとしお…
「ありがとうーー!」「ありがとーぉ!」
と繰り返してまさやんはさよならして行った。
客席の興奮はしばらくおさまらない。
それでも無情に明かりはついて、夢の時間は終わってしまった。
皆すぐには去りがたい様子、私達も、もう1度まさやんのいたステージを間近で見て、
ようやく外に出た。時間は8時20分頃になっている。
既に人影もまばらで、後ろ髪を引かれる思いでタクシーに乗り込んだ。

まさやん、本当に素敵な時間をありがとう。今日の事は一生忘れない。
大事な大事な宝物。

そして私を誘ってくれたタケにも感謝!
このレポ書くのもお世話になったし、もう君には足を向けて寝られないよ。(笑)

自宅近くの駅から歩く時、初めて気がついた。
「まん丸の月!?」冴えた夜空でひんやりと、それこそ「○の月」みたいに美味しそう。
現実のドアを開ける前にやさしくクールダウンしてくれた。

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とにかくライブレポなんて初めてなので、すみませんすごく個人的で、一人よが
りの自己満足レポです。ただテレビに映らなかったまさやんの様子が少しでもわ
かっていただけたら幸いです。長々と最後までありがとうございました。



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