モンゴル農業大学獣医学部

現在、学生数200人で教員は30人である。
5つの部門に分かれている(外科、微生物、生理、寄生虫・衛生、薬学・内科・非感染病)。学期は9月〜6月までである。学部は5年制であり、20%程度の留年がある。獣医師の国家試験制度はない。
90年以前はすべてロシアの教育制度に従って実施されていた。90年以降はロシアとの関係が希薄になるとともに、入ってこなくなり状況は悪化したが、現在の教育状況は上昇傾向(個人的にはバイオテクノロジーの知識も必要)にある。教育環境はロシア語が残っている部門もあるが、現在はモンゴル語が主体であり、一部英語が取り入れられている。以前はすべてロシア語であり、ロシア語が講義会話であったが、若い方は英語が得意である。
獣医学部の資金面での充実策としては、日本政府の無償協力援助に要請を出している。10の要請の中の4番目として取り上げられている(5つのラボを作るための資金援助)。社会主義時代には獣医学部は定員制であった。その後、入学生が減少傾向にあったが、現在は増加傾向にあった。
96年に動物病院は国営から民営化された。97〜99年には私有化された後に、職を失ったり、病院が無くなったりして、獣医師になってもしかたがない、ということで獣医の入学生の減少が見られた。ここ2年位はゾドで家畜が死亡したり、必要性が認められたり、病院を開業することも可能であるとして、入学生も増加している。地方で新たに開業する人が増加しているため、失業していた多くの獣医師も各地で働くことが可能となった。今年卒業した65人については地方で契約して働く人(13人:遊牧民は若い獣医師を欲しがっている傾向もある)もでてきた。去年までは都会で別の仕事をしている人が多かった。
1942年から獣医学部はあるが、いままで犬猫を扱う講義講座はなかったが、今年から開設された。犬猫専門の病院は2つあるが、1つは95年から開業している。いままではモンゴル人は犬をペットとして飼う習慣がなく、遊牧民が番犬としてのものであった。90年になってペットとして犬猫を飼うようになってから、犬猫の獣医病院ができた。
大学内には実習動物として3頭の牛、29頭の羊、馬1頭、山羊1頭を保有している。羊の頭数が多いため、これを使って実習が多い。また、肉工場から色々な材料を持ち込んで実習している。
89年までは地方に専門学校があり、2年半勉強すると注射をしたり、薬の調合をしたりする知識が得られた(小さい獣医師(学習年数の少ない専門学校卒業))。89年以降はその制度が廃止されたため、現在は大学卒業の資格が必要であるが、またその制度は復活するかもしれない。
今年6月28日に本校はUNIVERSITY化した(学部だったものを学校にした(格上げした))。

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