モンゴル食糧農牧省食糧安全局

この部門は主に家畜畜産についての法律制定などを担当する部署です。
畜産物、家畜の皮について輸入、輸出、国内の移動についての検疫を担当している。
また、畜産物のもでなく、小麦、ジャガイモなどの食糧の検査も担当している。
畜産物を輸出する際には病気のランクがあるが、ブルセラ病など支障がでる疾病が存在している。15種類の輸出するに支障がある疾病があるが、その中で昨年から口蹄疫が発生した。そのため、口蹄疫は2度と出さないようにすることが必要だ。
家畜の健康状態を保つことが必要であり、国内で人の体に影響を及ぼす疾病、結核もある。
馬では鼻そ、伝染性貧血がある。
BSEに関しては国内発生はないのだが、国際基準に達する検査を実施していないため対外的に認めてはもらっていない。検査を実施するには高い技術水準が必要になるが、そのために日本とは協力してやっていきたい。
人に伝染する家畜疾病をなくすこと、BSEの国際基準をクリアする、口蹄疫を撲滅することが今の大きな課題である。
モンゴルの家畜は自然状態で飼養された健康な家畜なので、病気の面での国際基準をクリアして海外へ輸出していきたい。
法律については、過去のものは今年80%書き換えた。資本社会になって実情に合わなくなったためである。しかし、モンゴル語のみで英語版はまだない。法律は各地の県、郡、遊牧民などがどういう行動をしたらよいのかが記述され、各論では家畜の疾病、市場への出し方などが書かれている。また、疾病発生時に政府からの支援も記述されている。口蹄疫対策でも国の予算を用いて、個人負担はない。隔離、ワクチン接種も国負担である。去年発生した口蹄疫では150万ドルを用いた。
代表的な35の病気(28が伝染病)に関してはどういうやり方をするのかが、規定されている。28の伝染病については診断、ワクチンについては国からでる。技術料などのサービスについては県等から負担される。つまり、個人負担はない。書かれている疾病以外は個人負担である。
口蹄疫撲滅対策は感染動物を殺処分する方法と感染動物殺処分とワクチン接種(ロシア製)があるが、モンゴルでは費用予算面からワクチン接種を選択した。ワクチン接種後3ヶ月発生がなければ安心できるが、ウイルス面からはワクチン接種動物は3年間の監視期間が必要だ。
口蹄疫発生後の畜産物輸出状況は口蹄疫対策で同様な環境であるロシアだけである。
ワクチン接種に関してはヨーロッパでも認められており、この方法でも問題ないのではないか、と考えている。
地方の自治体が個人の獣医師と契約している。その人に1頭に付きいくらかを決めておいて、自分の地域にはこれだけのワクチンをする家畜がいると申請して、それが終了した時点で金を払う。
法律で決定してある疾病以外の病気の診療、検査については畜主が個人的に支払う。
獣医局から要請があれば県にワクチンが送られ、それぞれの獣医師に渡される。金はその自治体に支払われる。ワクチンの備蓄は行われている。
郡のなかで不明疾病が発生した場合、県に報告される。そこで判明されない場合は中央研究所に病性鑑定依頼となる。ほとんどの一般疾病は郡のなかで処理される。
食糧農牧省の仕事は家畜疾病だけでなく、肉製品そのものについての検査も実施している。
90年以降、民主化されてから、予算面から地方の獣医師を研修させにくい現状にある。2年前からシステムが変わり郡内の個人獣医師ができて、うまく各地で動くようになってきたが、その方々に研修してもらうには個人負担となってしまう。個人獣医師が収入があがってくれば、以前の研修システムも復活するかもしれない。

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