【 解離性同一性障害、ビジターのご質問に Hull さんが答える 】
(改訂: 08/06/05)
[はじめに] このページをご覧になる前に、必ず解離性同一性障害(DID)追加事項のページを見てください。
このページの文章は、サイトマナージャーの作品ではありません。DIDに関心を持つ臨床心理士、Hull さんの著作です。
以下は、当院HPを見て質問されてきたビジターの疑問に答える、第2回答者、Hull
さんのお返事です。
[ビジターからのメール:彼女がDIDです]
質問:私のガールフレンドが現在解離性同一性障害だと思われます。現在、副人格のひとりが拒否しているので、受診はしていません。合意が得られたら治療させたいと思っています。どういうことに気をつければいいでしょうか?
回答:ガールフレンドということで、さぞお悩みになっていることでしょう。副人格の一人が受信を拒否している限り、受診させるのは容易ではありませんし、また無理に受診させるのは好ましいと思えません。ガールフレンドが不安定な対人関係性を示しているのであれば、彼女の言動に振り回されないように、なるべく一定の態度で接してあげるようにしてあげてください。彼女を愛するあなたにしかできない最も重要な役割だと思います。あなたの変わらない態度を通じて、彼女は少しずつ安定感を育てていけるはずです。受診はすでに何度か提案しているようですから、あくまで1つの選択肢として温めながら、彼女との信頼関係を高めていってください。彼女が受診を口に出すようになったら、そっと背中を押してあげるくらいがちょうどよいでしょう。[TOPへ]
[ビジターからのメール:友人がDIDです]
質問:私の親友のひとりが解離性同一性障害の症状があるようですが、自傷行為や自殺行為はありません。私にできることはありませんか?
現在、受診はしていませんが。受診を勧めた方がいいでしょうか?
回答:友人であるあなたにとって最も大切なのは、医療的な援助ではなく、「友人として仲間としてできること」であるということをまず忘れないでください。あなたは、その友達の言動に振り回されないように、なるべく一定の態度で接してあげるようにしてあげてください。病気をみるのではなく、不安や劣等感などを含めたその人の全体を見てあげることが大切です。受診については、解離性同一性障害をきちんと専門的に診てくれる医療機関は非常に少ないのが現状です。焦るばかりに不適当な病院やクリニックを訪れれば、かえってよくない結果になってしまう可能性もあることを知る必要があります。自傷・他害がないことで安心はできませんが、当面のデメリットがないということも積極的に評価してよい一面です。その友達が受診を望んでいるのであれば、よい病院を探すことから始めるのがよいでしょう。
[ビジターからのメール:生徒がDIDです]
質問:初めまして。私は高等学校で教員をしていますが、実は、クラスに多重人格と診断された生徒がいます。
その生徒に対し、どのように接してゆくべきか?学校としてどんな体制をとればいいのでしょうか、御教授いだければ幸いです。
回答:現在では、多重人格障害よりも、解離性同一性障害(DID)と呼ぶことが一般的です。これはDIDと他の病気の混同を避けるために必要です。DIDは、人格障害ではなく解離性障害の1つに分類されています。まずは、解離性同一性障害について正しい知識を吸収してください。もちろん、ある種の特別な配慮は必要になると思いますが、それを学校全体で足並みそろえて実行していくことは難しいことです。精神医療の現場でさえ、解離性同一性障害は扱いずらく、研鑽と経験を必要とされる病気だからです。しかしながら、正しい知識を習得していく中で、学校として教師として、その生徒にどのように接してはいけないかがつかめていくはずです。教師のゆるぎない、しかし温かく包み込むような一貫した態度はもっとも大切な要素ですが、それ以上に、その生徒が「ごく普通の子ども」として、ごく普通に人間としての尊厳を認めてもらいたがっていることが分かっていくと思います。まずは、教師全員で勉強会を定期的に開くことから始めましょう。参考としては竹村先生の「赤城高原ホスピタル」のホームページがお勧めできます。ご健闘をお祈りいたします。
[ビジターからのメール:彼女がDIDですが、現在の主治医(治療スタッフ)が無理解です]
質問:ガールフレンドが解離性同一性障害のために治療中ですが、現在の主治医がこの病気に無理解で、治療スタッフの言葉に傷つくことが多いので、他の治療施設を探そうと思っています。近くの治療施設を紹介してください。
回答:大変申し訳ありません。解離性同一性障害の専門の治療施設は非常に少なく、紹介したくとも紹介できないのが現状です。よい医療機関があった場合は、ホームページ上でご紹介していくようにします。お役に立てず申し訳なく思います。[TOPへ]
[終わりに]
上記回答は、サイトマネージャー、竹村道夫の文章ではありません。竹村ののメル友、Hull
さんの回答です。Hull さんのサイトは、ここです。→「解離性同一性障害の説明」
同じご質問に関する、サイトマネージャー、竹村の回答は、ここにあります→解離性同一性障害、追加事項、ビジターからの質問
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文責:竹村道夫(初版:08/06/05)