薬物乱用 】      赤城高原ホスピタル

(改訂: 20/01/09)


[目次]  [サイト内関連記事] [薬物乱用・依存症とは] [アルコール依存症と薬物乱用との関係] [DSM−Wの物質関連障害] [薬物取締法] [赤城高原ホスピタルの薬物乱用患者] [最近の傾向] [薬物の略称、ストリートネイム] [合法ドラッグ] [薬物乱用者を生む機能不全家庭] [若年女性の薬物乱用者] [当院における薬物依存症の治療]  [基本方針]  [麻薬取締官事務所との協力体制]  [自助グループ]  [相談・援助施設]  [リンク]  [関連書籍・教育ビデオのご案内]


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多分、当日まで参加申し込み可能ですが、やっかれん(03-5856-4827)までお電話ご一報をください。


群馬依存症パンフ01群馬依存症パンフ02






































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[当院サイト内、別ページの関連記事]
  覚せい剤
  処方薬の乱用と依存
  合法ドラッグ、脱法ドラッグ
  脱法ドラッグ、流行小史
  薬物乱用関連問題ニュース
  薬物乱用からの回復者のメッセージ
  薬物乱用、依存症、200人の証言
  シンナー乱用者家族からのメッセージ
  リタリン乱用
  「ハーブ系ダイエット薬、エフェドラ(Ephedra)の危険性」
  薬物乱用ビデオ教材
  合法薬物の虜になるひとびと(当院PSW著)


[薬物乱用・依存症とは]

 一般に薬物乱用とは、医薬品を本来の目的から逸脱した用法や容量あるいは目的のもとに使用すること、医療目的にない薬物を不正に使用することをいいます。たとえば睡眠薬遊びやシンナー吸引は、たとえ1度でも乱用にあたります。これに対して依存症は薬物を求める強い衝動があり、いろいろなトラブルがあっても薬物使用をやめられない状態です。通常、依存症は乱用よりも重症と考えられます。

 依存症では、耐性(薬物の持続使用により効果が減弱し、同等の効果を得るために以前より大量を必要になること)や離脱(薬物摂取量を減らした時にその薬物に特徴的な不快な身体症状がみられること)が存在することもあります。依存症に特徴的な症状として、耐性、離脱、強迫的薬物摂取行動、薬物の渇望などがありますが、これらの症状が依存症の必要条件という訳ではありません。

 当院への入院治療が必要になるほどの薬物乱用者は、実際にはほとんどの場合、薬物乱用というよりは薬物依存症の患者です。精神医学における乱用と依存症の定義はもう少し複雑です。たとえばアメリカの精神疾患の診断基準、DSM−Wの「物質乱用」(アルコール乱用と薬物乱用を含む)は、多少とも、反復する使用形式を意味します。なお、DSM−Wの「物質使用障害」は、「物質依存」と「物質乱用」を含む概念です。[TOPへ]


[アルコール依存症と薬物乱用との関係]

 アルコール依存症は、エチルアルコールという薬物への依存症ですから、薬物依存症の1種といえます。だからアルコール依存症と薬物乱用・依存症は症状の点でも治療の点でもよく似ています。アルコール依存と薬物依存は同時に合併してみられたり、ひとりの人に時期をずらして出現することが珍しくありません。たとえば今はアルコール依存だが過去にシンナーや覚せい剤の乱用をしていたというケース、あるいはその逆のケースは少なくありません。乱用・依存薬物に処方薬まで含めると、アルコール依存症患者の3人に1人は、薬物依存の傾向があると言っていいでしょう。とくにアルコール・薬物問題の専門病院以外で治療してきたアルコール依存症患者にマイナートランキライザー(睡眠薬、抗不安薬など)の依存者が多いようです。この処方薬依存は医者が作りだした病気ともいえます。当院に入院させて処方薬を中止すると、処方薬依存の方はひどいパニック状態になったり、けいれん発作を起こしたりします。 [TOPへ]


[DSM−Wの物質関連障害] (この項目はやや専門的です)

 アメリカの標準的な精神障害の診断マニュアル、DSM−W(1994)では、アルコールを含む11種類の乱用物質に関係する精神障害のすべてを含めて、物質関連障害(Substance Related Disorders)と言います。

 物質関連障害は2種類に分けられます。物質使用障害(Substance Use Disorders)と物質誘発性障害(Substance Indused Disorders)です。

 物質使用障害には、物質依存(Substance Dependency)と物質乱用(Substance Abuse)が含まれます。物質誘発性障害には、中毒(Substance Intoxication)と離脱(Substance Withdrowal)が含まれ、さらに物質乱用の結果としての、せん妄状態、痴呆状態、記憶障害、精神病状態、気分障害、不安障害、性機能障害、睡眠障害などが含まれます。

 なお、ICD-10(国際疾病分類、1993)には、乱用概念はなく、これに代わる「有害な使用」(Harmful use)という概念があります。 
 
 物質誘発性障害の治療は、一般精神病院でもできますが、物質使用障害の治療は、嗜癖専門家、嗜癖専門施設でないと難しいかもしれません。

 古くは、「薬物中毒」という用語が薬物乱用、依存症の意味で使われていました。この一部が、まだ行政用語の中に残っています。しかし現在では、医学的に、物質使用障害である「乱用・依存」と物質誘発性障害である「中毒・離脱」は概念的に明確に区別されているので注意が必要です。

 残念ながら、今でも時々マスメディアで、「薬物乱用」、「薬物依存症」というべきところを「薬物中毒」という語が間違って使用されています。「薬物中毒」は、砒素中毒、農薬中毒、ガス中毒、医療過誤としての処方薬の過量投与などのように薬物の体内摂取の結果として起こる問題です。

 薬物中毒は、薬物乱用や依存症でなくても起こりえます。薬物乱用の結果として薬物中毒になることはありますが、薬物中毒の治療をしても薬物乱用や薬物依存症は回復しません。  [TOPへ]


[薬物取締法]

 わが国では、薬物の乱用を禁止し、厳しく法律で取り締まっています。その法律とは、大麻取締法、毒物および劇物取締法、覚せい剤取締法、あへん法、麻薬および向精神薬取締法です。 [TOPへ]


[赤城高原ホスピタルの薬物乱用患者]

 当院入院患者では薬物乱用者は10-20名(処方薬乱用者を加えると+10名くらい)、入院せず通院している患者と退院して通院している患者が合計20数名余り、回復してもう当院では治療をしていないが、ときどき当院に遊びに来たり、メッセージに来る方が10名位います。入院患者では、シンナー乱用者と覚せい剤乱用者がほぼ同数(各数名)います。最近10年間では、徐々にシンナー乱用者が減少し覚せい剤乱用者が増えてきているようです。ほかに、ライターガス、ヘヤスプレー、咳止め薬(ブロン、新トニン、エフェドリンなど)、リタリンなどの乱用、依存症患者が入院しています。このほか、アルコール依存症の合併疾患として、睡眠薬、精神安定剤、鎮痛剤などの処方薬・市販薬依存をもっている方は多数います。 [TOPへ]


[最近の傾向]

 当院では、開院以来の10年間、青少年の薬物乱用の相談ケースが徐々に増加してきています。これは、日本で若年者の薬物乱用が増えているという理由と、全国的に薬物乱用者の専門治療施設がほとんど無い状況で、当院の治療についてマスコミなどを通じて知る方が増えてきたことによると思います。若年者の薬物乱用としては、以前は覚せい剤よりシンナーが多く、シンナー乱用者の一部が年齢と共に覚せい剤乱用に移行する傾向が見られましたが、近年では、中・高校生が最初から覚せい剤に手を出すケースが増えてきています。当院でも、10代後半から20代前半の覚せい剤乱用者の相談や入院がふえてきました。しかも、男性よりも女性の乱用者が目立っています。 [TOPへ]


[常用量依存]

 ベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム、ニトラゼパムなどの抗不安薬、睡眠薬)では、臨床用量の範囲内でも長期の服用で身体依存が形成され、退薬症状が出現することが知られています。この状態は常用量依存(または臨床用量依存、低用量依存)と呼ばれています。具体的には、投薬開始時の症状はなくなったのに、減薬や服薬中止をすると、もともとの症状に加えて、それまでにはなかった症状までも出現します。退薬症状には、不安、焦燥感、気分の落ち込み、頭痛、発汗、手足のしびれ、振戦、知覚異常、けいれん発作、離人感、動悸、嘔吐、嘔気、下痢、便秘、腹痛など多岐にわたります。これらの退薬症状のために、服薬をやめられなくなります。 [TOPへ]


[薬物の略称、ストリートネイム]

 乱用薬物には、略称や隠語、ストリ−トネイムなどと呼ばれる、仲間内だけで通じる呼称がたくさんあります。これらは、地域やグループによって違うことも多く、本当にいろいろです。以下に、その幾つかを挙げておきます。中には、正式の商品名や化学名などもあります。

 大麻、マリファナ(葉っぱ、ガンジャ、チョコ)。覚せい剤(スピード、S、エス、アイス、冷たいの)。コカイン(コーク、C、シー、ホワイト)。MDMA(エクスタシー、バツ、E、イー)。LSD(アシッド、L、エル)。有機溶剤、トルエン(シンナー、アンパン、グルー、純トロ、プラボン)。リタリン(ビタミンR)。睡眠薬(ハルシオン、青玉)。ヘロイン(H、エッチ)。ライター用ガス(ガスパン)。咳止め(ブロン、トニン、エフェドリン、コデイン)。錠剤(たまじゃり、玉砂利、タマジャリ)。「OD あるいは、O.D.」というのは、overdose つまり「薬の適量超過」のことです。日本では、「OD あるいは、O.D.」は、処方薬、市販薬の過量服用、大量服用の意味で使われています。 [TOPへ]


[合法ドラッグ]

 「合法ドラッグ」とは、興奮、陶酔感、快感をもたらすとして販売される薬物のうち、法律で所持や使用を禁止されていない商品類の俗称です。正式の呼称ではなく、むしろ「脱法ドラッグ」と呼ぶべきだと言う専門家や関係者の指摘もあります。主に海外で製造され、錠剤、カプセル、液剤、ガスなど、形状、使用法はさまざまです。人体に害を及ぼす化合物や、薬事法で輸入、製造、販売などの承認許可が必要な医薬品が含まれていることも少なくありません。使用法によっては、嘔吐、意識障害、幻覚、呼吸障害などの健康被害を起こすことがあります。また、これらのドラッグ使用が薬物乱用につながる恐れ、性犯罪に悪用される可能性も指摘されています。

 これらの製品は、アダルトショップの店頭、雑誌やインターネットの広告を通じて、1個数千円で販売されています。しかし、1996年から2000年までに東京都が実施した買取調査によると、188製品中、47製品に有害物質が含まれていました。薬物依存症、不整脈や心停止の原因になりうるエフェドリン、呼吸障害を起こすガンマヒドロキシ酪酸、劇物のクロロエタンなどが含まれていました。都は輸入業者らに回収を指示しています。(→サイト内、関連ページ「合法(脱法)ドラッグ」

 厚生省も、2001年度から有害商品に対して、全国規模の対策に乗り出しています。 [TOPへ]
 

[薬物乱用者を生む機能不全家庭]

 マスコミでは、「好奇心から、あるいはやせるために簡単に薬物に手を出してしまう現代の若者」といった論調の表面的なとらえ方が目につきますが、薬物乱用者と時間をかけて話し合ってみると、もっと深いレベルの問題が見えてきます。実際には、彼らのほとんどがいわゆる機能不全家庭の出身者です。「ありのまま」がすばらしいのだという親からのメッセージをもらっていません。自尊心が低くて、自分がありのままで愛される価値があるとは思われず、実際にありのままで愛されているという実感がなく、自分を大切だと思う意識が低いのです。そういう人は「薬物によって自分を変える」という誘惑に勝てません。治療者として薬物乱用者を理解するためには、そういう無条件の愛をもらえなかった子供たちの心の痛みや苦しみに共感する能力が必要です。 [TOPへ]


[若年女性の薬物乱用者]

 若年女性の薬物乱用者たちの多くは機能不全家庭に育ち、しばしば学校でのいじめなどの被害者となって自尊心を傷つけられています。思春期になって失意のうちに誘惑の多い環境に近づき、そこで仲間や悪い成人に誘われていとも簡単に覚せい剤に手を出してしまいます。最近は、テレクラや援助交際で知り合った男から薬物を勧められるケースが増えています。一度覚せい剤に手を出すと、薬物の魔力から逃れるのは極めて困難です。薬物乱用を始めた少女たちは手っ取り早くクスリ代を得るために、ほとんどの場合セックス産業に取り込まれます。このようにテレクラと援助交際は薬物汚染の温床です。そして薬物と売春は、現代の少女たちにとって転落の象徴です。この2つを始めた少女たちは悪循環の回路に入り、転落の一途をたどります。 [TOPへ]


[当院における薬物依存症の治療]

 当院への入院は任意入院形式です。つまり強制入院ではなく、本人が希望する場合しか入院させないし、入院後も本人が退院を希望すれば退院させます。当院における薬物依存症の治療の特徴は、個人精神療法に加えて集団精神療法、家族療法、教育的治療、認知行動療法、SST(Social Skill Training; 社会機能訓練)、自助グループの利用、回復者によるメッセージなどです。毎週、木曜日には、覚せい剤乱用の回復者による薬物乱用者家族へのメッセージ、薬物乱用者本人へのメッセージがあります。このほかにも、薬物問題の自助グループからのメッセージがあります。患者は入院中から院外の自助グループに参加します。向精神薬は必要最低限度しか使いません。

 実際には、薬物乱用者の多くは情緒不安定で、治療中にトラブルが頻発するので、混乱に巻込まれずに、安全な治療関係と安全な治療環境を守るだけで、せいいっぱいの場合もあります。当院では入院中に、病院の敷地内に薬物を持ち込んだり、敷地内で薬物を使用したりすると、初回の違反行為でも強制退院になります。強制退院になると一定期間再入院できません。薬物をほかの患者に配布したり、暴力を振るった場合には永久追放になります。薬物の渇望や対人関係のトラブルのために入院後1週間以内に自主退院をされる方は少なくありません。薬物乱用が主たる問題で入院する患者の半数以上が入院後2週間以内に自主退院するか入院後1カ月以内に強制退院になります。そのような患者でも、また気が変わって当院での治療を希望すれば、永久追放者を除いて原則として何度でも再入院を受入れています。したがって、薬物乱用による当院入院者の多くが入退院を繰返している方です。

 このように薬物乱用者の治療は、行きつ戻りつの長い道程です。今までの人生で、人を信頼するということを全く学んできていない方や、信頼すべき人からのひどい裏切り(たとえば親や教師や治療者からの虐待やセクハラなど)を経験している方では、信頼に基づく治療関係を作り上げるだけで数年かかることもあります。だからといって薬物乱用・依存症が回復不能といういう訳ではありません。回復して、今は自助グループのメッセンジャーとして私たちの治療に協力してくださっている方や、薬物リハビリセンターのスタッフとして働いている方も大勢おられます。


[薬物依存症の治療に関して基本的な考え方]

患者と治療者、双方にとって安全な場所を確保する。
やめさせるのではなく、ほんの少しだけでもある患者のやめたいと思う心を中心に治療構造を組み立てる。
ありのままの自分を評価されなかった患者の成育歴とそこから来る患者の苦痛を理解する。
回復の諸段階にあわせて適切な具体的指示(提案)を出す。
孤立しがちな患者や家族を回復のモデルや自助グループに紹介する。
患者と家族との間で繰り返される悪循環に変化を導入する。
やめたいと思う心を引き出し、支持し、育て、励まし続ける。
薬物使用の心理的背景やきっかけを本人が見つけ出す手助けをする。
ケアを引き出し、他人に依存しようとする行動と本当のSOSとを区別する。
患者の回復と成長を辛抱強く見守る。

 入院治療(とくに治療初期)では、次々におこるトラブルの処理に追われ、やりたいと思う上記のようなことの1、2割程しかできません。初回入院では、患者に「思ったほど怖いところじゃないんだ」と感じてもらえれば合格、と思っています。 [TOPへ]


[関東信越厚生局麻薬取締部との協力体制]

 全国的に薬物乱用、依存症の治療施設が少ない状況で、赤城高原ホスピタルの治療がマスコミやHPを通じて知られるようになり、1999年後半頃からホスピタルへの薬物乱用者の入院が急増してきました。これら薬物関係の入院者の半数以上が覚せい剤乱用者です。

 大部分が、なんとかして薬物使用を止めたいという方ですが、中には入院中に外出、外泊して覚せい剤を使用したりする方もおられます。さらに一部には、病院内で覚せい剤を使用しているのではないかと疑われる患者さんまで出てきました。一部でもそういう人がいると、患者さんと職員にとって安全な治療的環境を提供するという、この病院の第一のポリシーが失われます。

 そこで当院では、2000年4月から、麻薬取締官事務所と協力体制を作り、覚せい剤、麻薬使用歴のある全ての入院患者に対し、麻薬取締官事務所への通知と随時行われる任意検尿への協力を求め、入院時に協力の誓約書を書いていただいています。非協力者の入院はお断りすることにしました。(麻薬取締官事務所=現、関東信越厚生局麻薬取締部

 この協力体制はすでにスタートしています。これにより当院では、多数の薬物乱用患者が入院していても、以前と同様の安全な治療的環境を取戻すことができました。なお、外来受診の覚せい剤患者に関しては、これまでと同様に、当院から当局への連絡通知などは行なっていません。

 当然、採尿検査で陽性になると、司法手続きが動き出すことになります。覚せい剤使用後4-5日、まれに10日間は、検尿で陽性反応が出る可能性があります。このために、現に覚せい剤を使用中の患者は、逮捕覚悟でないと当院には入院できません。実際に、入院時にこの説明を受けて入院を延期、またはあきらめられた患者さんがいました。治療機会を逃す可能性もありますが、病院の安全性を守るためには仕方がありません。

 麻薬取締り当局との協力態勢と検尿システムが稼動し始めて約2年、2002年2月までの間に、ホスピタル入院中の患者で覚せい剤所持または使用の疑いで3名が逮捕されました。これらの方への対応は当面、治療システムから司法システムに移行することになります。仕方がないことだと考えています。逆に考えるとこのようなチェックシステムがないところでは、治療リハビリ施設の中で捕まらずに違法薬を使い続ける人が存在する可能性が高いということです。


[自助グループ]

 他の嗜癖と同様に、薬物乱用の治療でも自助グループの利用が欠かせません。NA(ナルコティクス・アノニマス)は、世界で最大規模の薬物乱用者のための自助グループです。アルコール症者のためのAAにならって、「12のステップ」と「12の伝統」という独自の教義を用いて、薬物を使用しない生き方をめざしています。Nar-Anon(ナラノン)は、薬物依存症者の家族と友人のための自助グループです。

連絡先は以下の通り(08/08/20現在)です。
NA(薬物依存症者本人の集まり)セントラル・オフォス TEL:03-3902-8869 
ナラノン(薬物依存症者の家族と友人の集まり)セントラル・オフィス TEL:03-5951-3571
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[相談・援助施設]

 ダルク(TEL: 03-3844-4777)は日本で唯一(多分?)の薬物依存者のための民間の社会復帰施設です。日本全国に40カ所余りの通所宿泊施設があって、薬物乱用者のリハビリに努力しています。もっとも大きな特徴は、スタッフのすべてが元薬物乱用者(回復者)であるというところです。 [TOPへ]


[リンク]

ナルコティクス・アノニマス日本公式サイト (11/10/17確認)  NA(ナルコティクス・アノニマス):薬物乱用者のための自助グループです

Nar-Anon Homepage (11/10/17確認) ナラノンとは、薬物乱用者の家族と友人のための自助グループです

薬物乱用防止「ドラッグについて話そう」 小森法律事務所 (08/05/24確認)  青少年の薬物問題関連記事、膨大な記録。

アジア太平洋地域アディクション研究所(APARI)(06/09/19確認) 日本ダルク代表 近藤恒夫さんと、マックダルク後援会のロイ神父が設立したNPO法人。薬物乱用者本人と家族の宿泊リハビリ施設の情報など。

群馬ダルク(06/09/19確認) 薬物依存からの回復者、素敵なカップル、ポールさん、容子さんが運営する薬物依存者のためのリハビリ施設(群馬県、高崎市)。

セルフサポート研究所(06/09/19確認)  主に薬物依存者の家族を対象に、カウンセリング(個人、グループ)や教育プログラム等の活動を行っている。 所長:加藤 力(かとう りき)さん。 [TOPへ]

薬物乱用防止「ダメ。ゼッタイ」ホームページ(06/09/19確認) 「クイズ&ゲーム」 「ダメ。ゼッタイ博士のシミュレーション教室 」「薬物データベース」(違法薬物の基礎知識) 「インフォメーション」(統計) など。麻薬・覚せい剤乱用防止センターによる。

麻薬取締官(06/09/19確認) 業務内容、関連問題の概要、相談電話、密売情報のメール受付など

関東信越厚生局麻薬取締部(11/10/17確認) 組織、組織図、業務内容、関連リンクなど

全国防犯協会連合会(06/09/19確認) 薬物など、少年非行の問題に関する情報。 

薬物乱用防止五か年戦略(06/09/19確認) 薬物乱用対策推進本部による、検挙者の推移や国の取り組みなど(平成10年5月)。首相官邸。

大麻取締法(06/09/19確認) 総務省行政管理局による法律全文。

覚せい剤取締法(06/09/19確認) 総務省行政管理局による法律の全文。 

麻薬及び向精神薬取締法(06/09/19確認) 総務省行政管理局による法律の全文。

あへん法(06/09/19確認) 総務省行政管理局による法律の全文。

食べると危険! 幻覚キノコ(06/09/19確認) マジックマッシュルームの中毒症状と法規制(平成14年6月6日法改正)。東京都福祉健康局。

大麻(06/09/19確認) 麻薬・覚せい剤乱用防止センターによる大麻情報。「ダメ。セッタイ」ホームページ内のデータベースの一部。


[関連書籍・ビデオのご紹介]

「ドラッグ社会への挑戦−身近に起こる薬物乱用との闘い」
(丸善ライブラリー、小森榮著、760円)が1999年8月20日に発刊されました。著者は薬物問題に深い関心を持ち、多くの薬物事件の弁護を担当している弁護士です。各方面の取材に基づき、単なる禁止や脅しだけでは薬物問題の解決にならないと訴えています。赤城高原ホスピタルの治療プログラムが紹介されています。一般書店で購入できます。   
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「ドラッグがやめられない−子供の薬物依存と家族」
(青木書店、小国綾子著、1600円)が1999年9月25日に発刊されました。赤城高原ホスピタルの患者や治療が紹介されています。著者は毎日新聞記者です。薬物乱用患者の屈折した心理やつっぱり行動に対し、取材する著者の優しいまなざし、鋭い感性がすばらしい。また、薬物乱用者とその家族のすれ違うコミュニケーション、混乱と落胆から立ち上がり、回復して行く家族を著者は生き生きと描写しています。文章も素敵です。一般書店で購入できます。   [TOPへ]


[狂気の構図−覚せい剤乱用防止教育ビデオ]
文部省社会教育選定。財団法人・全国防犯協会連合会企画製作、警察庁監修の防犯ビデオ「狂気の構図」はとてもよくできたビデオです。覚せい剤乱用の実態。覚せい剤の作用。乱用者の症状、治療、予防教育などに触れています。体験者、当事者の証言を中心に「なぜ、覚せい剤に手を出してはいけないか」という問いに迫っています。もとジャイアンツの原選手が出演しています。私は最初と最後のシーンが気に入りました。とくに冒頭のシーンはすべての中学・高校生に見て欲しいと思います。財団法人、全国防犯協会連合会(TEL: 03-3239-0257)で入手できます。赤城高原ホスピタルと外苑神経科でも購入できます(30分ビデオ1本が4、500円)。 [TOPへ]

[薬物に奪われた青春−薬物乱用防止教育ビデオ] 東映企画製作、学校教育、健康・保健衛生ビデオ、「薬物に奪われた青春」が2000年5月に発売になりました。 ビデオでは冒頭に、専門家の解説があります。「マスコミなんかでは、よく、好奇心から、あるいは面白半分に薬物に手を出して、どんどんはまっていくというような論調で言われたりするんですが、私たち治療者の目から見ると、薬物乱用や依存症になる方というのは、もともとその前から、心の傷を負っているのです。その傷というのは、・・・・・」。 このドキュメンタリー・フィルムでは、3人の少女の傷ついた心に薬物がとりつき、その人生を狂わせ、そしてそこから回復してゆくまでの心の軌跡を追います。ただ薬物乱用の恐怖を強調するばかりだった今までの日本のマスコミや教育ビデオ教材とは違い、真実に添って、薬物乱用者の心の奥底に迫るヒューマン・タッチの傑作です。一般の方が購入するとなると、結構高価です(22分ビデオが66,000円、学校特別販売価格33,000円)。施設、学校などで購入してもらうとよいでしょう。赤城高原ホスピタルと外苑神経科でも観賞できます。 [TOPへ]



ご連絡はこちらへどうぞ ⇒ address
または、昼間の時間帯に、当院PSW(精神科ソーシャルワーカー)にお電話してください ⇒ TEL:0279-56-8148


AKH 文責:竹村道夫(初版:99/01) 


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